董子さんが出掛けた後、俺はローテーブルに置かれた新聞を手に取った。


ただの新聞。
スポーツ紙でないこの新聞は、テレビ欄と政治、事件や様々な情報が載っているだけ。


ペラペラと捲るも、俺のことは一切載っていない。
それもそうか。
昨日遅くに抜け出し、今頃、マネージャーたちは血眼になって俺を探してるだろうから。
まだ、騒ぎにはならないだろう。


携帯も持たずに逃げて来た。
俺は俺の居た場所から一切の連絡手段を絶った。


唯一、何にも干渉されない自由な時間と空間。
この静寂がいつまで続くんだろう・・・