と、見知らぬ綺麗な女が声を掛けて来た。
誰だ?
俺が『上杉陽斗』だとわかって近づいて来たのか?
あー、これで俺の自由も終わりか。
呆気ないな。


その女の背中越しに、マネージャーの姿が見えた。
その女の後頭部を引き寄せ、一気にその唇を奪った。
マネージャーから姿を隠すように。


マネージャーが通り過ぎたのを足音で確認し、俺はその女から唇を離した。
呆気に取られたその女の顔が可愛いと思った。


「お姉さん・・・可愛い・・・ね・・・・・」



そう言った刹那、俺の意識は遠退いて行った。