夜遅い時間の取材。
雑誌のポートレートの撮影もあるからと、オフィス街のビルに連れて行かれた。
マンションから車に乗った時はポツポツと降っていた雨は、撮影場所に着いた時には本降りなっていた。


何故だかわからない。
マネージャーの車を降りたその瞬間、俺は一目散に走り出していた。
どこを目指す当てもなく、ただただ一目散に駆けていた。


息も絶え絶えになり、行き着いたフェンスに凭れ掛かり、大粒の雨に打たれる。
どうして逃げたんだ?
どうして駆け出したんだ?
俺自身もわからない。


雨に打たれ、疲労も溜ってたせいかも知れない。
身体が熱い。
息が上がる。
意識が持たない・・・・