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「おいっ! おまえ今までどこ行ってた!」


マンションへ帰ると、何故か透が共有リビングルームにいた。

制服姿の透は、怒ったような険しい顔であたしにズンズン近づいて来る。


……?


「……なんでいるの?」


荒々しく歩きながら、透は厳しい目つきであたしを見る。


「 黒木さんがオレに電話してきたんだ! おまえと連絡が取れない、学校にはちゃんと行ってるのかってな!」


「……あ〜、」


「二日も無断欠席しやがって! 心配して来てみたらなんだ! 鍵は開けっぱなし、電気は付けっぱなし! 一体どういう事かって聞いてんだよっ!」


学校の教室6コ分はありそうな、広いリビングルーム。息を切らしながら、やっと透があたしの前に到着した。


「……つーか、どんだけ広いんだよ、このマンション!」


怒りながら息を整える。


「 おい、ちゃんと説明しろよ。おまえ一体何して…… 」


言葉が途切れ、急に透が静かになる。


「……どうしたんだそれ 」


身をかがめて、透はあたしの顔をのぞき込んだ。


「……? 」


そのままあたしの口元に手を伸ばす……


……ああ、またこのアザ……


「 ぶつけた 」


「……は?」


「 だから、ぶつけたんだ 」


「……っ、おいおい大丈夫かよ⁉︎ そーいや、おまえいっつもぼーっとしてるもんなぁ。おおかた電信柱にでもぶつかったんじゃねーのか⁉︎」


「……まあ、」


「……ったく、しっかりしろよ! 」


透は呆れたようにため息をついた。