……え、
一瞬、湧人が何を言ったか分からなかった。
……なんで……
どうして湧人がD.S.Pの事、知ってるんだろう。
何でもない顔で湧人は続ける。
「 ケガの理由、それが原因? オレ、最初は信じられなかった。 でもさっき、みくがバリアーみたいなの使ってるの見たらさ、ああ、そういう世界もあるんだなって思った 」
……どうしよう。
バリアー、見たって言ってる。
【 マニュアル其の3、能力を人に見られるな 】
その項目がぐるぐる頭の中を飛び回る。
えっと、能力を見られた時の対処法、対処法、
それもたしかマニュアルに……
……! そうだ、
「 湧人。 あれは……手品だよ 」
あたしはマニュアルの言葉を口にした。
「…………」
湧人がじっとあたしを見る。
そして、
「……はぁ、ウソつかなくていいよ 」
ため息まじりにそう言った。
「 みく、熱でぼーっとしてて、D.S.Pのこと自分で喋ってたよ?」
「……え?」
「それに、今は目が右上を見てた 」
「……?」
「 読心術だよ! 言っとくけど、オレにウソは通じないから!」
「……⁉︎」