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「……う、ん……」


意識が目覚める。


……あれ。


ここは、どこ?

あたしは広い畳の部屋にいた。

壁には掛け軸と、その下にはゴツゴツした紫色の石が一つ。


……あたし……


ぼーっとしてると、ふすまが開いた。


「 あんら、起きたのがい?」


ふくよかなお婆ちゃんが、うちわを持って立っている。


……あ。

そこでいろいろ思い出す。


「 熱で二日もうなされでたんだよお。もう大丈夫だがあ?」


お婆ちゃんがあたしの額に手をあてる。


「……二日も?」


「 湧人も心配してたっけよ~。ずっとそばについてたんだがら~ 」


……? 湧人?

辺りをキョロキョロ見回す。


「 お婆ちゃん、湧人は?」


「 湧人は学校さ行ったよお?」


「 そっか、学校……」


……学校⁉︎

あれ⁉︎ あたし、学校……

しまった。また学校、休んでしまった。


「……? 」


おもわず視線を下におろすとパジャマを着ている自分に気づく。


「 お婆ちゃん、これ 」


「 ああ、汗かいてたがら着替えさせたんだよお。湧人のお母さんのやづだげんど……娘さん着てたのはちゃんと洗濯しといだからねえ 」


……あ。

見ると、そばにあたしが着ていた服がきれいに折りたたまれて置いてあった。


「 のど渇いたべえ? 今なにか持ってくるからのお~ 」