「 あんら~、ケガもしてるでねーの! どないしなさった!」


「 とにかく、婆ちゃん手貸して! ……え? みく? どうしたの⁉︎」


「……気持ち、わる……うっ、吐きそう…… 」


「 えっ! ちょっ、待っ……みくこっち! 」



そのあと、あたしはトイレで吐いて……

もだえるようにうずくまっては、また吐いて……

その間、お婆ちゃんが毛布であたしの体をあたためたり、湧人が背中をさすったり。

ひとしきり寒気と気持ち悪いのが落ち着いた頃



「 熱が出てきたみてえだのう。横になった方がええ。布団敷いてくっからのう 」


そう言ってお婆ちゃんが席を立つ。


「……みく? お家の人に連絡だけはしないと 」


心配そうに湧人が言った。


……お家の、人……


「……いない。とうぶん。黒木と……ユリ 」


「……え?」


湧人の声が反響して聞こえる。


頭がクラクラする……


熱があたしの思考を奪っていく……



「 黒木さんと、ユリさんって人、しばらく家にいないの?」


「……そう、だって、D.S.P……」


「……D.S.P?  D.S.Pって、なに?」


頭の中がぼやけて……


もう、自分が何を喋っているのかさえ、わからない……



「……闇の、特殊警察……超能力で……闘うの……」


目を見開いたまま固まる湧人を見つめ、


あたしは夢うつつ……


意識はモヤに消えてった……