「どうしたんだよ、食わねえのか?肉は嫌いか?悪いがこれから海に出れば魚しか食えねぇ、こーゆー時に食っとけ」

数頭の生きた、豚や羊は乗せて行くが船の上では新鮮な野菜は長くて数ヶ月食べれない事もある。
落ち着きを取り戻したノアールは息をすぅっと吸って話し出した。

「さっき、船長が作ってくれたサンドイッチ食べてないわ、それを食べます」

ノアールが大きく変わった第一歩だった、今まで冷めた料理や食べ残しなど食べた事もないだろう、だが船長の作ってくれたサンドイッチがどうしても食べたかった、食べなくてはいけないと思っていたのだろう。

「ノアール・・・お前・・」

椅子に座りながら船長は下を向き震えている、せっかく温かい料理を出してくれたの、食べないと言ったのに怒ったのかと思い、ノアールは目の前の肉の塊を夢中で掴んだ。

「あっつぅ・・・」

思いの外熱かったの、すぐに自分の皿の上に落とした、その光景を船員達は不思議そうに見ていた。