食事は包んでもらった。
お風呂も支度をしてもった。
タライに水を張っただけのお風呂とは言い難いが体を流す事はできた。

服は少し洗ったから濡れている、男は我慢して着てればすぐ乾くと言い張っている。

足が所々切れている
昨日の夜、裸足で走ったからだろう
大きい傷は手当をしてもらった。
男の手当は手際が良く屋敷にいた医者ぐらい知識があると思える。

「ふぅ、時間かかっちまったな、ほら行くぞ」

厳しい言葉も言われたが、世話を焼いてくれるこの男は誰なんだろう。
私をどこに連れて行くのだろう。
もしかしたら、酷いことをされるのかもしれない、だがノワールにはこの男について行く事しか選択肢がない。

「あの、何処に行くの?」