「だからぁ、あれはメル兄様。イケメンの元カレなんていいものじゃないわ。
 ……何よ、その目。私が嘘をついてるとでも?」
幸いなことに、リムストーンでユリカはすぐに見つけることができた。
「そうじゃないけどさ。」
「じゃあ、何よ?」
「いや、ありきたりの展開過ぎて何だか面白くないなって。」
ユリカの真ん丸な瞳が細くなる。
「ありきたり?何がありきたり?メル兄様は全然ありきたりじゃないわっ!確かに美形だし、非常に優秀な戦徒だけど、妹離れできていないのよ!今だって、何処で私を見ているか……。」
「そ、そうなんだ。なんか大変だね(苦笑)」
「そう、大変なの!でも、『転身の秘術』くらいなら手伝ってあげてもいいわよ。」