「……ダ様。
マチルダ様、起きてください。そろそろ出発しますよ。」
「姉さん?ん……ここは?」
私を見つめる漆黒の眼差し。黒髪を一つに纏め、銀の甲冑とコートに身を包んだ凛々しい姿は、シルヴィア姉さん。
……ここ、どこだっけ?随分と眠ってた気がする。
「まだ寝ぼけていらっしゃるのですか?ここには魔物の気配は無いとはいえ、少し気を抜き過ぎでは?」
「そ、そんなことないよ!」
姉さんの口元が笑ってる。もう!
と言いながら私も笑ってる。今でこそ誰よりも仲の良いこんな姉妹だけど(容姿は全然違うけどね)、ここまでにはいろいろあった。
私も覚者として結構成長したと思うけど、戦徒(ポーン)である姉さんは人間を遙かに凌駕する力を持っている。
え?人間とポーンが姉妹だなんておかしいって?まぁ、そうなんだけど、私たちの場合は特別なんだ。仇敵『赤目』を探す旅、そして私の出生を巡る旅で私たちは姉妹になった。ポーンは本来、感情を持たない戦士だけれど、姉さんは私との旅で心を得たんだ。姉さんと出会って僅か3、4年ほどだけれど、凄く密度の濃い日々だった。
「マチルダ様?やはりまだ寝ぼけていらっしゃるようですね。」
「違うよ。ちょっと昔のことを思い出してただけだよ。」
「昔のこと、ですか?」
姉さんが訝しむ。が、すぐに優しい微笑みに戻った。私が考えていることが分かったみたいだ。この辺り、流石だなぁ。
「さぁ、準備は万全に。フィーを救い出すことだけに専念しましょう。ここより先はこれまでとは比べものにならないほど、激しい戦いになるでしょうから。」
そっか、ここは黒呪島。黒き闇の島。いつだって死と隣り合わせ。でも、きっと大丈夫。姉さんと一緒なら……。
マチルダ様、起きてください。そろそろ出発しますよ。」
「姉さん?ん……ここは?」
私を見つめる漆黒の眼差し。黒髪を一つに纏め、銀の甲冑とコートに身を包んだ凛々しい姿は、シルヴィア姉さん。
……ここ、どこだっけ?随分と眠ってた気がする。
「まだ寝ぼけていらっしゃるのですか?ここには魔物の気配は無いとはいえ、少し気を抜き過ぎでは?」
「そ、そんなことないよ!」
姉さんの口元が笑ってる。もう!
と言いながら私も笑ってる。今でこそ誰よりも仲の良いこんな姉妹だけど(容姿は全然違うけどね)、ここまでにはいろいろあった。
私も覚者として結構成長したと思うけど、戦徒(ポーン)である姉さんは人間を遙かに凌駕する力を持っている。
え?人間とポーンが姉妹だなんておかしいって?まぁ、そうなんだけど、私たちの場合は特別なんだ。仇敵『赤目』を探す旅、そして私の出生を巡る旅で私たちは姉妹になった。ポーンは本来、感情を持たない戦士だけれど、姉さんは私との旅で心を得たんだ。姉さんと出会って僅か3、4年ほどだけれど、凄く密度の濃い日々だった。
「マチルダ様?やはりまだ寝ぼけていらっしゃるようですね。」
「違うよ。ちょっと昔のことを思い出してただけだよ。」
「昔のこと、ですか?」
姉さんが訝しむ。が、すぐに優しい微笑みに戻った。私が考えていることが分かったみたいだ。この辺り、流石だなぁ。
「さぁ、準備は万全に。フィーを救い出すことだけに専念しましょう。ここより先はこれまでとは比べものにならないほど、激しい戦いになるでしょうから。」
そっか、ここは黒呪島。黒き闇の島。いつだって死と隣り合わせ。でも、きっと大丈夫。姉さんと一緒なら……。