「 謝るの禁止! 」


えっ……


「 綺帆は悪くないじゃん。むしろあたしの方こそ脅すような言い方して、ごめん。大人げなかったよね 」


「 麗奈っ…さん 」


「 あたしね、綺麗に千紘にフラれたの。まぁ、元から好きなんて一言も言われたことはなかったけどね。その時に千紘の口から初めて、心から好きと思える人ができたって聞いて、あたしじゃ一生無理なんだって気づいた 」


淡々と話す麗奈さんは、どこかスッキリしているようで清々しいように感じた。


「 婚約の件も、あたしと千紘の両親も理解した上でなかったことにしたから。何も心配する必要はないわ 」


「 はい… 」


「 パリでもっと良い男捕まえて、綺帆たちに負けないくらい幸せになるんだから」