「 麗奈は今日の最終便でパリに帰るらしい。最後に綺帆と話したいから18時までに電話してほしいだってよ 」
「 えっ…、でもあたし… 」
「 いつもの感じで大丈夫だから。ほら」
通話ボタンが押されている千紘の携帯を渡される。
まずは前のこと謝らなきゃ…
その次は…っ…
「 もしもし? 」
いろいろ考えている間に電話越しから聞こえてきた麗奈さんの声。
「 …もしもし、れ、麗奈さんっ… 」
「 え、綺帆!?久しぶりー!! 」
何もなかったかのように、いつものテンションが高い麗奈さんの声が響く。
「 麗奈さん…!前は、あんなひどいこと言ってしまって…っ 」