また静かになった、室内。

これ以上、あたしはここに居る必要があるのか?

そんなこと思っていると、ふと外からパトカーのサイレンの音が聞こえて来た。

それに、咄嗟に耳を塞ぐ。

頭が、ガンガンと痛む。

終いには立っていられなくなり、倒れるようにしゃがみ込む。

その際、近くに在ったモノに腕をぶつけた。


__ガンッ__


その物音を聞きつけたのか、ヒデが部屋の中に入って来た。

だけど、そんなヒデの様子を気にかけている余裕はない。


「消えて」


その言葉を、呪文のように何度もあたしは繰り返す。

パトカーのサイレンの音は、すでに遠ざかっていて、耳には届かない。

だけど、あたしの中では未だに鳴り響いている。