「碧斗。お前はどう思う」


黙っていたあおに、竜也が尋ねる。

白狼会のトップは、あお。

そのあおの判断が、これからの動きを決める。


「様子見だな」

「碧斗!」


不服そうに、柊磨はあおの名を呼ぶ。


「直接、宣戦布告されたわけでもねぇ。それに、今回は被害もなかった」

「なら、被害に遭うのを待つのか」

「柊磨、目先のことに囚われ過ぎだ。憶測で動いて、あっちが全精力で向かって来たらどうする。無駄な争いは、何も生まねぇ。ただ繰り返されるだけだ」


柊磨の気持ちもわかるが、上に立つあおの言葉を正論だ。

だから、柊磨もそれ以上何も言い返さなかった。