昔も、こんなやり取りをしたことがある。

本物の刑事たちと。

それは、あたしにとって嫌な思い出だ。

被害者なのに、まるで自分が悪い事をしたかのように感じる。


「弘文。敵対してるチームの写真とか、何かねぇか」


あおの言葉に、弘文はパソコンを見つめ、操作する。


「今わかるのは、こいつらだけだ」


そう言い、パソコンの画面を見せられる。


「どうだ」


あたしはパソコンの画面に映る、人物たちをじっくりと見る。

だが、その中にあたしと理沙のことを付け回した男たちは居ない。


「この中には、いない」


あたしの言葉を聞き、誰かがチッと舌打ちを零した。