「ヒデ。竜也の言った通り、理沙と出てろ」


有無を言わせないあおの言葉に、ヒデは渋々理沙と部屋を出た。

部屋の中には、あたしとヒデ以外の白狼会の幹部たちが残る。

あおの行動に、部屋の中は先ほどより空気が重くなる。

そのせいか、誰も口を開かない。

それに痺れを切らしたように、あおが口を開いた。


「顔、見たのか」


顔?

あおの言葉の趣旨を、あたしは必死に理解する。


「見た」

「で?」


そう聞かれて、あたしは何と答えれば良いわけ?


「知らない人たちだった」

「人たちってことは、複数か?」

「うん」


まるで、誘導尋問のような受け答え。