それでも、あたしはヒデの傍を離れない。

ヒデがあたしに手を伸ばす限り、あたしはヒデの手を掴み続ける。

気付けば、見覚えのある道を歩かされていた。

そして、見えて来る倉庫。

その中へと、あおに続き足を踏み入れた。

真っ直ぐに奥の部屋へと向かった。

部屋の中に入ると、一斉に視線を浴びる。


「あおいちゃん」


変な緊張感が漂う中、理沙があたしの元へと駆け寄る。

瞳には、うっすら涙が浮かんでいる。


「ごめんね、あたしのせいで」


そう、理沙は何度も謝罪の言葉を口にする。


「怪我してない?」

「大丈夫」

「良かった。本当に、良かった」


そんなに、理沙が責任を感じることなんてないのに。