あおは拳を握り締め、グッと言葉にならない気持ちを堪えていた。


「倉庫に、行くんでしょ」


あたしの言葉に返事をすることもなく、あお背を向け、歩き出す。

そんなあおの後に、あたしは一定の距離を保ちながら続いた。

ふと周りを確認してみたが、追って来ていた男たちの姿はなかった。

彼らは、一体どこの誰だったのだろうか?

顔は見たが、見たこともない奴らだった。

あたしは、これからもたんな目に合うのだろうか?

それは、正直恐怖だ。

喧嘩ができる訳でもなければ、あたしは今回のように逃げることしかできない。

毎回、今回のように上手く回避できる自信もない。