「特に、その眼が似すぎてんだよ。その眼で見られると、彼女に見られてるような気になる」

「その子に、重ねてるだけじゃん」

「あぁ、そうかもな。でも、似すぎてる」


そう言われて、あたしはどう反論すればいいのだろう。


「だから、そんな君が他の男の傍に居るのも気にくわねぇ。彼女には、俺だけを見てて欲しいから」

「それは、その子に言いなよ」

「なぁ、本当に違うのか?」


違わない。

だけど、一度ついた嘘を正すのが怖い。


「君は、あおちゃんじゃないの?」

「違う」


ごめんね、あお。

あたしは一度ついた嘘を隠すために、また嘘を重ねる。

後、何度あおに嘘を重ねたら、あおはあたしのことを忘れてくれる?

でも、忘れて欲しくもない。

あたしの気持ちは、矛盾だらけだ。