ヒデに掛ける言葉に困っていると、あおに携帯を奪われる。


「ヒデ。事情も聞かなきゃイケないから、一度倉庫に連れて行く。いいな」


そう言い、あおは電話を終わらせた。


「俺は、ヒデから離れろって言ったよな」


確かに、前にも言われた。


「遅かれ早かれ、こうなるとも思ったからだ」

「こうなるって、何?」

「俺らの近くにいるってことは、いつ狙われるかわからねぇ」


狙われる?

あぁ、そういうことか。

白狼会は、暴走族。

敵対しているチームが、少なからずいる。

やり方が汚いチームは、弱い人間を餌にチームを潰そうとする。

その餌に、あたしと理沙がなってしまった。

あおは、そう言いたいのだろう。