っと思っていたとき彼が口を開いた。

「…拾いモノ。拾いモノだよ」

「拾い…モノ?」

拾いモノって…嘘でしょう…

「彼女って言ってくれないの…?」

「思ったこともない」

…頭が真っ白になった…
淋しくて、哀しくて、急に独りになった気分になった。

「キライ…」

「…」

「キライよ!!本当にキライ!!!」

「知ってる。早く寝ろ。」

…なんで?わたし…こんなにも大好きなのに…彼が遠い…
でもそう思えたのは一瞬だった。

「でも…大切な拾いモノだ…」

え…

彼はわたしの耳元でささやいた。そのせいかわたしはゾクッとした。
彼は声がすごくいいからそのせいでもある。