「ねぇ~…やっぱ染めるのぉぉぉ??」

「わかったって言っただろ」

「そうだけど…じゃあさ、わたしが黒に染めたら?
 そしたらそのままになる?」

彼はすこし考えていた。
何故、急に髪の色を変えたいと言ったのか、
その理由はもうわたしはわかっていた。

「…また女の人と逢ってるでしょ?」

「…」

「もう…やめたんじゃなかったの?」

「…雪子と…逢ってるんだ…」

わたしの体中に衝撃が走った。

雪子さん…?あの春也の元妻の?
もう…離婚したのに…なんで?

「…雪子さんとは…もう…離婚した…よね?」

「あぁ…」

「じゃあ…なんで逢うの?」

彼は眉間にシワを寄せた。