「ちょうど7年前にな…
 ある夫婦が来てこのテディベアを予約していったんじゃ…」

「その時はそのリボンはピンクだったんじゃが、
 その夫婦が赤にしてくれと頼んできて7年間ずっとこのままなんじゃ…」

それって…まさか…

「確かメッセージカードには…美沙って書いてあったかの?」

お母さんとお父さんだ…

「どうか…譲ってもらえないですか?」

彼が言った。

「…もう…7年だからな…ばあさん…この方々に譲ろうか…」

「そうじゃな…じゃあ…どうぞ…」

彼が財布を取りだした。

「お金はいらんよ…。」

「でも…」

「いらんよ…」

彼は財布をポケットに入れた。

「春也ありがと~///」

「俺は何もしてない…でも…それ…」

「うん…きっとお母さんとお父さんはわたしに渡したかったんだろうね…」

彼はすこし哀しそうな顔をした。