家に帰ったら春也がすぐ玄関まで来てくれてて、強く抱きしめてくれた。

「先生から聞いた…いじめ…られてるんだってな…」

「…春也…わたし…もういない…」

「え…」

「赤ちゃん…もう多分…いないよ…」

彼は少し顔を下に向け長い前髪で潤った瞳を隠した。

もう…戻らない時間。

あのとき…自白していれば…

「ごめん…わたしが…いけないの…自分を守ろうとして…」

「美沙が…無事でよかった…」

あぁ…どんなにわたしは幸せなんだろうか…
こんなにもひどいことをしておいてこんなに幸せになって…

きっと…いつかバチがあたるんだろうな…

「春也…スキ…」

わたしは頬をぬらして言った。

彼は何も言わなかったけどポツリポツリと涙の雫を落とていた。