それからわたし達は部屋に戻り、ケーキを食べた。

すこし甘かったから彼はあまり食べなかった。

「まずい…」

「大人なんだからスキキライ言わないの!」

とか言ってわたしも気分が悪くてあまり食べなかった。

「美沙…?どうした?」

「ちょっと…気分悪い…トイレ行ってくるね…」

「あぁ…」

気持ち悪い…なんで?食べ過ぎた?…それとも…

「美沙…。大丈夫か?」

「う…」

「美沙…」

彼はトイレの前で待っていてくれた。
トイレの鍵が開いているのに入らないのは彼の優しさ。
でも…わたしは不安だった。

カチャッ

やっと落ち着いた。