「重いよ?」

「あぁ知ってる」

「邪魔になるよ?」

「あぁ知ってる」

「好きだよ?」

「…知らない」

わたしは彼の背中に体を乗せ、遊園地の切符売場までおんぶしてくれた。

「もう大丈夫か?」

「…うん。ありがとう」

彼はありがとうと言う言葉に慣れていない。だからすごく照れる。
顔を真っ赤にして照れる。

「あれって…怖いのかな?」

「…怖い…かな…」

最初にわたしが指を指したとこ、それはお化け屋敷だった。

「行く?」

「え…怖い」

「じゃあ指さすなよ…」