わかったって汚い発音で答えると
彼は上着をもってきてわたしに着せた。

わたしは上着を着て
彼にマフラーを巻かせた。

「さ…むい…でしょ?」

彼がうなずいた。

そしてわたしが彼の目になって
彼を海に連れて行った。

どこにあるかは分からないけど
きっと…きっと…
この町のどこかに…

「あっ…た」

ウソ…本当に…すごい…
夜なのに海が輝いて見えた。
それは月明かりが
海を照らしていたからである。

「は…るや…?」

わたしは彼の顔をみた。
すると…