彼はこう言うんだ。
俺は美沙の耳になる…って。
彼はこう言うんだ。
だから美沙は俺の目になって…って。

それにわたしは『うん』と一言だけ答える。
涙がこぼれるのと同時に…

これから先…

わたし達はどうなるのかわからない…

でも…わたし達はきっと…

幸せに…幸せに…なるよね?

わたしは信じてる。

春也が好きだから…わたしは信じれる。

ありがとう…ありがとう…

ある夜…彼がわたしの手を引っ張った。

汚い文字で彼は言う。

「海にいこ」