「春也さんがね…」

春也に…何かあったの…?

「事故に…あったんですって…」

ウソ…!?

「幸い、怪我だけで済んだけど…左目が…心配なんだって。さっちゃん…あのね」

わたしは家を飛び出した。

「さっちゃん!!どこいくの!?帰ってきなさい!!危ないわよ!!ゲホッゲホッ」

わたしはまだ知らなかった。奈津子おばさんが口をふさいだ掌が
真っ赤に染まっていたことを…

「春也…っ…春也…っ…」

わたしは思いっきり走りつづけた。
走っても彼には逢えないって分かっているのに…