次の日の5限目。
お昼の後の1番眠くなる時間。
夢の中に入りそうになっていた時、コツンと窓になにかが当たって起きた。
ん?下を見ると、あの男が立っていた。
げっ。
先生に怒られないように、口パクで言った。
「なに?」
そしたらあっちも、口パクで返してきた。
「屋上、きーへん?」
「いま、授業中!」
「サボローよ」
そう言うとニコニコして、校内に入ってしまった。
サボるとか。なんであの男に指図されなきゃいけないんだよ。
んー。まあ、寝るだけだし。
いってやるか。
「せんせーい。はらいてーから保健室行くわ。」
「なんだ〜?変なもんでも食ったか?」
「アイス食べ過ぎて下痢〜。」
「きったねーな、いってこーい」
「ラジャー」
教室をでて、プールがある屋上に向かった。
扉を開けると、プールに足を突っ込んでプールサイドに座るあの男がいた。
「おー。きたか!!」
「きたかじゃない。なんなのさ!」
あの男の隣に座り靴下を脱いでプールに足を突っ込んだ。
「あずさちゃんと話したかってん」
「なんでさ」
「ゆうたやろ?惚れてんねん」
「なーに言ってんの。あたし綺麗だけどあなたと会ったことない」
「んーせやなあ、あずさちゃんが会ったことなくても俺、見てたもん」
平然と恥ずかしいことを言って、満面の笑みで言うから顔が赤くなるのを夏の暑さのせいにしそうになる。
「どこで!なんで!」
「アッハッハ、やっぱりおもろいなあ」
「ああ?バカにしてんの?」
「してへんよ、普通の子よりも俺、好きやねん元気の方が」
「ふーん、さーんきゅーう」
「俺、モテるんよ」
「あ?自分で言うなよ」
「顔はええやろ?よく言われるんよ」
「うーん顔はいいけどそのナルシスト加減はいやねえ。」
「ほんまやで?嘘思ってるやろ〜」
「じゃあ彼女は?」
「彼女いたらあずさちゃんのこと口説いたりせーへん」
「あずさでいいよ、ちゃんはきもいわ」
「あずさは?彼氏いるの?」
「あたしは、いないよ。好きな人としか付き合わないもん。」
「おおー。じゃあ俺にもチャンスあんねや」
「どうだろうねえ」
「よし、じゃあLINE交換しよか」
「いいよ」
交換して、また満面の笑みでニコニコしていた。