「今日は何時まで店にいられるの?」
店長の声がした。
「えっと、今日はお昼まで。午後から絶対落とせない講義があるの。」
「そうか。じゃ、もうあまり時間ないな。」
「そうね。でも大丈夫、売り上げ計算はしっかり合わせておくから。」
コーラを一口飲むと、美鈴は最後の見直しを始めた。
何やらごそごそしていた店長がこちらにやってきた。
「これ、いつもがんばってくれてる美鈴ちゃんにボーナスだよ。」
「ボーナス?」
美鈴が顔を上げた先に、一冊の本が見えた。
『ケルト文明』
「これ・・・?」
美鈴はその本を手にとった。
「せっかくだからケルトのこと勉強してみたら?」
「あ、りがとう。」
店長まで。
拓海の言われるがままになってる自分が少しくやしかったけれど。
「ボーナスまでもらっちゃったら、もっともっとがんばって働かなくちゃね。プレッシャーだわぁ。」
美鈴は二カッと笑って店長の腕を軽く押した。
「なかなか動かない馬にはいつもニンジン前にぶらさげとかないとねぇ。」
「もう!」
店長は笑いながら、店の奥に入っていった。
ずっしりと重いその本を両手で抱えた。
何事も一歩踏み出すのが大事。
この本がその一歩になるかもしれないと、美鈴は自分に言い聞かせていた。
店長の声がした。
「えっと、今日はお昼まで。午後から絶対落とせない講義があるの。」
「そうか。じゃ、もうあまり時間ないな。」
「そうね。でも大丈夫、売り上げ計算はしっかり合わせておくから。」
コーラを一口飲むと、美鈴は最後の見直しを始めた。
何やらごそごそしていた店長がこちらにやってきた。
「これ、いつもがんばってくれてる美鈴ちゃんにボーナスだよ。」
「ボーナス?」
美鈴が顔を上げた先に、一冊の本が見えた。
『ケルト文明』
「これ・・・?」
美鈴はその本を手にとった。
「せっかくだからケルトのこと勉強してみたら?」
「あ、りがとう。」
店長まで。
拓海の言われるがままになってる自分が少しくやしかったけれど。
「ボーナスまでもらっちゃったら、もっともっとがんばって働かなくちゃね。プレッシャーだわぁ。」
美鈴は二カッと笑って店長の腕を軽く押した。
「なかなか動かない馬にはいつもニンジン前にぶらさげとかないとねぇ。」
「もう!」
店長は笑いながら、店の奥に入っていった。
ずっしりと重いその本を両手で抱えた。
何事も一歩踏み出すのが大事。
この本がその一歩になるかもしれないと、美鈴は自分に言い聞かせていた。