「…菅江 美利(すがえ みとり)…です」
「ふーん、その傷誰にやられたの?面白いわねぇ」
自分は名乗らないままに、先輩は唇に指を当て笑んでいた。
「…あの…すいませんでした…ぶつかって」
「許さないわよ?罰として私ときなさい」
断ろうとしたのに強引に腕を掴まれた。
「は、離してください!」
「あら、抵抗するならその傷のこと先生や警察にでも話そうかしら?」
驚きのあまり固まる身体を、先輩は楽しそうに見つめた。
「きなさい。拒否権はないのよ。安心しなさいよ、あんたのことを救おうだとか偽善者ぶるつもりは毛頭ないわ。私はただ退屈な学園生活を刺激的に過ごしたいだけ。それだけよ」