「ちょ、逢阪……」

 意識が飛びそう。頭がどうにかなりそう。ただ、唇が重なっているだけなのに。

「竜也って呼べよ」

「無理っ……」

「なら、やめようか?」

「や…だ……っ」

「俺だってここでやめたくない」

「へ……?」

「ずっとこうしてたいくらいだ」

「バカなの………?」

「バカかもな」

「認めてるしっ……」

「もう、他の男とキスなんてするな」

「当たり前っ……」

 私がそう答えると、逢阪がホッとしたような顔で微笑む。

 なにこれ。誰これ!?

 少し冷静に考えてみよう。

 どうしてこうなった?

 私と逢阪はこういう関係じゃなかったでしょう?

 なのに、なんでこんな……