「どうした?」

 隣に座った逢阪が、不思議そうにたずねる。

「ビールって美味しい?」

「……飲んでみるか?」

「ダメでしょ、未成年にすすめたら」

「お前、ほんとマジメだよな」

「逢阪がいい加減すぎるのよ」

「大人にならないと、美味さはわからないと思うがな」

「……また、子供扱いした」

「子供だよ。いちるもお前も、出逢った頃のイメージが強いから」

「………」

 逢阪は、ビールのタブをあけずに、そっとテーブルに置いた。

 ……?飲まないのかな。

「多分俺がじーさんになって、お前がオバさんになっても、俺から見たらお前はやっぱり子供みたいなんだろうな」

 なにそれ。私は、永遠にあなたの中でガキってこと?

「………って思ってた」

「?」

「思ってたんだけどな」

「逢阪?」

「正直ムカついた」

「……なにが?」

 逢阪に、じっと見つめられる。

「鈴が、佐伯にキスされたって聞いた時」