…………!?

「好きなの?大地のこと」

「まさか」

「好きじゃないのに……キスしたの?」

「いけない?」

 理解不能___そう言ってやりたかったけど、言えなかった。

 私だっていちるとしたから。不本意だったけど、そしてあの一瞬の事故のような出来事をキスだとカウントできるものかわからないが、してしまった事実は変えられない。

「大地は、そんなやつじゃないよ。好きな子とじゃないと……きちんと付き合ってる子とじゃないと、そういうことしないと思う」

「鈴ちゃんはほんと、ピュアだよねぇ。そんなんだから余計守りたくなっちゃうのかもしれないけど」

「………?」

「私、夏休み前に日下くんと連絡先交換して夏休み中何度か2人で会ってたんだけど、日下くんはいつだって鈴ちゃんのこと話してたよ」

「……」

「勘違いされることも多いやつだけど優しいやつだから、これからも仲良くしてやってくれって言われちゃった」

「大地………」

「〝鈴ちゃんとの恋、応援してあげる〟って言ったら、日下くん顔真っ赤にさせてた。おかしいよね。あんなにモテるしカッコイイのに、キスすらしたことないって言うんだから、私、教えてあげたの」

「………え?」

「キスの仕方」