一瞬、時が止まったように静かになった。そしてひと呼吸おいて、モモが口を開いた。

「あははははっ!!!」

 急に笑い出す。私を、嘲笑するかのように。

「遅すぎっ……!もっとはやく気付けよ」

 化けの皮が剥がれた。さっきまで私に疑われて泣きそうになっていたモモは、もうここにはいない。

「どうして告白したなんて言ったの?」

「親友っぽいじゃん」

「……?」

「恋愛相談もちかけたら、鈴ちゃんと私、一気に仲良くなれそうじゃん」

「なにそれっ……?」

「鈴ちゃんから何もかも奪いたかった私は、まず、日下くんを奪おうとしたのでしたぁー」

 なにを……言ってるの?

「ほら、鈴ちゃんって無表情で何考えてるかわからないこと多いじゃん?だから、どうすれば嫌がる顔が見れるかなって、私なりに色々考えたんだよ」

「……それで?」

「最初は、鈴ちゃんが日下くんに片思いしてるのかなって思ったけど、逆だったんだね」

「………!!」

「日下くんに近づいたのは事実だよ?彼女になる気もあったし、それに___」

 モモがニヤリと口元を歪めた。

「日下くんとは、もうただの友達って関係でもないし」

「は?」

「キスしたもん」