「もしRINと私が似てるって思った人がいたとして、確信もなくこんなこと書けないんじゃないかな?」

「知らないっ……そんな、犯人の考えてることなんて、私にわかるわけない」

 モモが大きな目に、涙を浮かべている。

「モモ、私に隠してることない?」

「え?」

「ウソ、ついていない?」

「つくわけ……ないっ……。酷い、鈴ちゃん。本当に疑ってるの?」

「うん」

「……そうだ、鈴ちゃん。こんなこと言ったら気を悪くするかもしれないけど、私よりも日下くんの方が怪しくない?」

「大地が?」

「あの日、日下くんも遊園地に来ててたとしたら?日下くんは誰よりも鈴ちゃんのことよく知ってるから、RINの正体に気づくのも自然だし、自分との2ショットくらい簡単に用意できる__」

「モモ、私、だんだん腹たってきた」

「え?」

「どうして気づかなかったんだろうって」

「鈴ちゃん?」

「モモのその、下手な芝居に」

「…………!」

 モモは平気で悲しい顔ができるし平気で嘘だってつける、そんな子なんだと思うと、絶望が押し寄せてきた。

「大地がこんなことするわけないでしょ!」

「日下くんのことは信じて、私は信じられないっていうの?」

 白々しい。吐き気がする。だけど、狼狽(うろた)えた姿は、この子には絶対に見せたくないと思った。

「してないんだよね。大地に告白」

「………!!」

「大地に、さっき聞いた。モモから告白されていないし、ふってもいないって」