もちろんスマホの写真も、目の前で削除させた。
残念そうだったけれど、


「いい子、見つかるよ!!」


と励ました。
面倒臭いけどね、と思いつつ。


「戻ってくるんだろ、部活」


終わって面を外した私に近付いて、咳払いする顕奘さん。
そのまま稽古が始まった。


「どうしましょうかね??」


悩んで見せる。けれど本当に辞めたら勝負をした意味がない。


「そもそも、発言だけで退部届けは預かってないからな。無効だ」


「…そう来ましたか」


「もう、無理とか嫌とか言わせねえ。副キャップに指名してやる」


「副でいいです。瑞希がいるんで」


「だろうな、あいつも筋がいい」


親友が認められたのは嬉しかった。キャップにされると贔屓されてるようでそれも部員に印象悪い。