耳元で囁かれ、ぞくりとする。


パン!!


金髪男の後ろから竹刀が降り下ろされた。
部屋着姿の顕奘さんだ。


「いって!!何しやがる……」


振り向いた男に更に面を打ち、すかさず胴に打ち込んだ。


パンパン!!


「ううっ…この野郎」


もう一人が転がっていた木の枝で身構えるが、すかさず胴を打ち込む。


「…汚い手でそいつに触るな」


具合が悪くても、竹刀を持つと気迫が違う。


素早く構える。
隙を見せない。


「この…」


「危ない!!」


後ろにいたもう一人が、顕奘さん目掛けて体当たりした。


振り向き様に、辛うじて胴に入ったけれど、脇腹にナイフが刺さっていた。


「顕奘さん!!」


思わず叫ぶと絡んでいた男の腕に噛みついた。


「いって!!このガキ」


顕奘さんを庇いに行きかけたけれど、腕を掴まれる。


「触るなってるだろうが!!」


パン!!


と、小手が当たる。
素手ならかなり痛いはずだ。


まだ構えて、二人を交互に睨む。敵わないと諦めたのか、


「くそっ!!覚えてろ!!」


捨て台詞を残すと、よろめきながら去っていった。