日曜。
結局部活も辞めると言ったままだった。


おめかしして玄関のドアを開けると、また顕奘さんとばったりと鉢合わせた。


顕奘さんはグレーの羽織シャツに黒いTシャツで、わりと大人しい格好だ。


「あっ…」


お互いに声が出たけれど、


「顕奘さ~ん」


下からの甘えた声にハッとする。


「愛芽ちゃん」


よりによって、二人一緒だ。


「ダブルデートしましょうよ!!」


「だ…」


今どき、ダブルデートって…。
と思ったけれど、傍にいれば二人の姿がお互いに見られるかとも思った。


見えない場所で知らないことをされるより。


そして、電車に乗る。
隣の市の大型ショッピングモールの中にある、大きめのドッグカフェに向かう4人。


いくら暑いからといって、これでもかという薄着で、ボディラインがはっきりわかるロングワンピースだった。


日曜ということもあって、結構な混みようだ。


「冷房利きすぎ、寒い」


わざわざ腕を絡めて密着する七海先生。胸が当たっている。
明後日の方向を見る顕奘さん。


向かいにしか空いた席はなく、その席で私たち二人も並んで座る。


なんとなく肩に顔を乗せてくっついてみる私。やっぱり、機嫌悪く睨まれる。