う、ヤバい。そんなこと言ったっけ。そういえば。 「…ご、ごめんなさ…」 言い終わらない唇を、顕奘さんの唇が、塞いだ。 悔しいけど、やっぱり好きだ。 嬉しい。柔らかく温かい唇だった。 涙が溢れた。 ――10年分の想いとともに。