ふう、と遠目で窓の外を見ていたら、和樹くんに話しかけられた。


「よろしく、佐藤さん。俺のことは和樹って呼んで?」

「あ、うん。よろしく和樹くん」


“呼び捨てでいいのにー”と笑う和樹くん。

爽やかオーラ飛ばしまくっていて眩しいな。



「あたしも華乃でいいよ」

「んー。じゃあ華乃ちゃんって呼ぶよ」

まるで仕返しとでも言いたげに和樹くんは言う。

だけど、あたしには呼び方に定着心はないからどっちでもいいんだけど。



「おや、和樹くん。君、モテるだろう」

あたしと和樹くんが話していると翔太先輩が和樹くんの首に腕をガッチリと巻き付け、絡んできた。