俺は3年B組の佐原健人だ
クラスで1番鈴と仲のいい男子
そう鈴の中ではきっと
ただの仲のいいクラスメートでしかない俺
そんでもって野球が命の自他ともに認める
まぁ野球馬鹿ってやつだ
野球以上におもしろいことなんてない
寝ても覚めても野球が1番だから
クラスのみんなはわかってくれないけど
野球部の奴らはみんなわかってくれる
今日は待ちに待った西中との練習試合
楽しみだ
なんで楽しみかというと俺が先発で投げるからだ
久しぶりだ
といっても2週間ぶりくらいだけど







授業中
俺はとてつもない睡魔におそわれた
理科の時間だ
唐沢の授業中に寝た奴は毎回毎回恐ろしいほどの課題を出され
1日でやれなかったら次の日の放課後に居残りで1対1で教えられる
俺のダチ恭平(きょうへい)もその被害者だ
俺は恭平の話を聞いて理科の時間だけは絶対に寝ないと決めたんだ
俺は頑張って気力で目を開けていたが
もうそれも限界みたいだ
「もぅ無理......。寝る.......」
俺は前の席の洸太に向かって呟いた
洸太は俺の声が聞こえたらしく小さく頷いていた
何分寝ていたかはわからない
でも眠りながらうっすらと
ほんとにうっすらとした意識の中で
授業中にも関わらず騒ぎ立てているクラスの奴らがいた
なにがあったか知らないけどうるさい
俺は寝ることに集中した