「ごめん夏澄。わざわざありがと。
もう教室戻っていいから。」


「…はい。」



なんとなく感じた。

広斗先輩の口調に棘があること。



「咲良、ちょっと来い。」


先輩は、咲良と呼ばれるその女の人と
何処かへ消えてしまった。


気になるけど、わたしが首突っ込むことじゃない。



ヴーヴー…

恵から電話だ。


「もしもし?」

『夏澄?どこまで行ってんの?ダンボール足りないって〜!』


やば!ダンボール忘れてた!


「ごめんすぐ行く!」



わたしは小走りで学校裏の倉庫へと向かった。