そう、わたしの今の夢は『ヒロインを演じること』

はじめてオーディションに落ちたときに誓ったことだった。

絶対いつかヒロインやってやるって。


「夢は叶えようと思わなかったら叶わないわ。
希生ちゃんが受けてみようって思わなかったら、受からない」


社長の言葉が胸に刺さる。

今までトラウマだったヒロインのオーディション。

克服できるのは今しかないのかもしれない。

受けることさえ出来なかったら、受かることもできない。

とにかく、まずはトラウマを克服して、受けられるようにならないと…


「わかりました、受けます…」