「そんなに甘いものじゃないわよ」


桜がそっと呟いた。


「でもヨルちゃん死んでしまうのよ?」


私は少し桜にムカついた。
少しの可能性でも信じて頑張れば逃げれるかもしれない…私達も…

「出れないわ。」


「どうして…?」


「ドア…開かないわ。しかもカーテンで隠してあるし…」


「割ればいけるかもよ?」


「強化ガラスが何倍にも重なっているわ。もし割れても見つかればおしまい…」


悔しい…
ノコノコやってきた自分が憎い。