『まっ…!!死神さん待って!』 「はい?」 普段なら出さない少し大きめの声で思いきって彼を呼び止めると振り向いてくれた。 『…あの助けてくれて…ありがとうございました…』 指を鳴らす寸前にお礼を言い終えると彼は振り向き、にこやかに笑った。 「どういたしまして…ですがその呼び方は気が引けますね…。私の名は“律(りつ)”です。宜しくお願い致します」 『よ、よろしく…』