『全部っ…?』

「そう…全部…♪」

顎を軽く持ち上げられもう少しで唇が触れそうになったその時―

どうやら天界の地に着いたらしく、浮いていた体はしっかり足を着いて立っていた。

ふかふかで気持ち良い芝生。澄み渡る青空。
色とりどりの花が咲き乱れる大地。空気の美味しさを教えてくれる、そよ風。

―ここが天界―。

『…さっきの場所だ…♪って事はお姉様が居る―』

私はまたお姉様に会えるのが嬉しくて辺りをきょろきょろ。でも律さんは―?

「…チッ…」