律さんから目が逸らせない…ううん、逸らしたくない…。

不意に視線を唇に向ける。すると形の良い唇が薄く開いて―

「…キスのおねだりか…?」

『っ!!?…ちっ…違いますっ!!』

顔が真っ赤になっていくのが自分でも分かって、腕の中で慌てふためいてしまった。

「そうか?…今は岳も居るし…キスは二人きりの時に…な?」

『~~~っ!!』

…ダメ…完全に律さんに翻弄されてる…!!…でも…恥ずかしいけど幸せ。

律さんと本当の両想いになれたんだって実感出来るから。

岳はというと私達の様子を見て顔を真っ赤にしてぷるぷる震えている。